イザベラ・バードのコミック本現れる

平成28年5月17日


先日イザベラ・バードも歩いた越後街道(米沢街道)の黒沢峠を歩くにあたり、ネットでいろんな資料を調べました。そこでイザベラ・バードのコミック本が有るという事を初めて知りました。
早速書店で購入し読んでみました。普段コミック本を読んだことが無いので描写されている絵に慣れるのが大変でした。本の中身は『高梨健吉訳の日本奥地紀行』や『時岡敬子訳の日本紀行』を読んでいればすぐ理解は出来るのですが、コミック本だけでは何を表現しているのか判読しずらいのではないかと感じました。今日の(5月17日)夜10時からEテレでバードの日本旅行について放送が予定されています。以前にも『ほほえみの国・日本』という題材でバードが取り上げられていましたが何かブームなんですかね?


私にとってこの本の一番の関心事は今から138年前の日本の原風景が読み取れることです。
今私達が生活している時代から当時を思い起こすことは不可能でしょう。
学校の社会科の授業の中で取り上げても良いのではないかと思われますが?


当時の日本人の暮らしぶりが事細かく表現され非常に興味深いですね。
私などは田舎の農家生れでしたからうなづく場面が沢山ありました。
この本で解る事を列挙してみました。
Ⅰ、日本人の男の身長は150〜155Cm位だったこと
2、平均寿命は50歳に満たなかった事
3、女性は結婚すると歯を黒く染める事…明治政府により廃止令
4、男も女も入れ墨するのが当たり前だった事…明治政府により禁止令
5、男女問わずタバコを良く吸っていた事
6、庶民の生活は非常に貧しく衣類は着の身着のままだった事
7、浴場は基本的に混浴だった事。(個人の家に風呂が有るのはまれだった)
8、どんな奥地でも駅逓制度(運送業)が確立していた事…後に日本通運に統一される
9、集落毎に宿屋が完備していた事(今風の民泊)
10、『馬』について、大河ドラマなどに出て来る馬などいなかった事…当時の馬は今の木曽駒や
  尻屋崎の寒立馬のようなづんぐりもっくりだった事等々


民族学的には非常に参考になる本だと思います、興味のある方はご一読をお勧めいたします。